人生ゲーム - 中川淳一郎

 
Amazon
楽天

◆あらすじ
ある朝僕の会社が無くなった。大手競合他社に買収されたのだ。新しい会社のやり方に馴染めなかった主人公の僕は買収後しばらくして退社し、居酒屋「くらげ屋」を立ち上げそれなりの成果をあげるまでになるが、最近店には成長の気配が無い。安穏とした日々をすごす僕はひょんなことから(京セラの稲盛会長を思わせるような)大手企業の須藤会長に出会い薫陶を受ける。右腕となっていく栗田や(ホリエモンを思わせる)IT会社SILの若き社長平賀との人間模様を描きながら、くらげ屋と僕の成長を描いていく。小説の形式を取りながら起業、M&Aについての教科書の側面を持った面白いスタイル。

◆本を読んで
本当に最高だった。「愛」、「相性」といった実際のビジネスの世界では甘いと言われるかもしれないことに重点をおいて企業展開を進めていく。自分の考え方にばっちりハマるストーリーであった。普通のビジネス書はビジネスライクで、固いイメージがあるが、本書のようにフィクションと上手に絡めてストーリーを展開してもらうと、小説とビジネス書を同時に楽しめるような、良い本だった。

◆心に残った言葉

  • 世の中はgive and takeと思われがちだが、本当はgive and give。takeのことは考えずにgiveすることによって愛の循環が生まれる。
  • 人心というものはそんなにルールで縛れるものではない
  • もっと他人を信用してください。それが上に立つ人の仕事です。
  • 下の人間に権限を与えてしまうと自分の存在意義が失われてしまうと考えがち
  • その店に来るお客さんが「味は関係なく2000円のイカを食べたい人」だから2000円になる
  • 世の中には本質とは関係なく、最高級とされているものをとにかく欲しがる人種がいる。私は金の多寡に応じて自分の趣味嗜好を変えるような生き方はしたくない
  • 経営者と現場のリーダーは違う
  • あの頃のサラリーマンがアウトプット指向が強かった、成果物を世に送り込むことの快感があった
  • とにかく今の会社が好きだということ。
  • 重要なのは「オレ」ではなく「オレたち」だということ
  • アウトプットをきちんと分りやすいもので従業員に提示する必要が有る
  • 「ビジネスマンはアイデアマンたれ」というのは大いなる誤解。アイデアなんてそんなに毎日毎日生み出せるものではない。アイデアで勝負するよりも仕組みを作る
  • 人間が働ける時間は限られているので、いかに働かずにお金が入るかを考えなくてはならない
  • 極上のシステムを作ればお金がどんどん入ってくる。そしてそれが疲弊する前に別のシステムを作る。経営者の仕事ってのはそこにある
  • 重要なのは「企業は人なり!」ということ
  • ブランドを常に高める形での成長をしなくてはならない
  • 一方のカラーを押し付けようとするから失敗する(相思相愛でなくてはいけない)
本ブログ おすすめ本
リクナビ・社会人向け進学案内

0 件のコメント: