日本一のクレーマー、三輪康子

<あらすじ>
やくざがたむろす歌舞伎町のホテルに、入社後たった4ヶ月で支配人として赴任した三輪さん。歌舞伎町のジャンヌ・ダルクと呼ばれ、クレーマーと闘いながら日本一のホテルへと育てたその方法を振り返りながら、東日本大震災の中、世の中の人たちに可能性、希望、勇気を持ってもらいたいという想いを本に託した。
 怒鳴られたら、やさしさをたった一つでも多く返すこと このたった一つのことを信条として持ち、様々なクレーム、逆境に向かっていく。

<本を読んで>
本書は、自分がつらくて逃げ出したいことがあった時に読んだため、心に深く残る言葉がたくさんあった。逃げる後悔と逃げない後悔があった場合、逃げない後悔を選ぶといういたってシンプルなことであるが、これはまさしく「言うが易し」である。また「チームを育てたいなら、まずチームのスタッフ全員をかけがえのない大事な部下であると信じることが大事」ということも大変重要なエッセンスである。普通人間はどうしても自分に甘くなってしまう。でも部下との信頼関係を築くには、自らが部下を信じて、前に出ることが必要だと改めて気づかされた。但し、これはかなり特殊な例だと思うので、同じにできないからと言って卑下する必要はない。ディズニー おもてなしの神様が教えてくれたことでも逃げないことやクレーマーへ笑顔を返すことを勧めることもあるが、犯罪に近いことをされている場合もあるのであって、真っ当な側の人間が損をする必要はないのでは、とも思うのだ。

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<心に残った言葉>
 ・部下を最前線に押し出して、自分は安全なところにいる指揮官など誰が信用してくれるだろうか
・「やさしさは怒鳴り声よりも強いものだ。正しいことは、貫かれなければならない」というお守りのような信念
・(約束を)曲げてしまったら、何もしないよりもっと事態は悪くなる(途中でやめないこと)愚直にやりつづけなければならない
・クレーム対応とは、クレームに対応することではありません。まず、全力で人の気持ちを理解すること。つまり、人への対応です。・一見気の遠くなるような時間のかかる問題解決が、結局は最も効率のいい解決方法である。とことん、目の前にいる人に付き合い、問題の解決を図る

・「自己肯定力」さらに進んで「自画自賛力」。自分のことを褒めてくれる人なんてなかなかいない。それなら、自分でほめてあげれば良い。クレームに呼ばれたとき、「私、人気者だから、また呼ばれちゃった」と、”バカ”がつくほど自己肯定する。「私はクレーム対応が得意。私なら解決できる」そう信じているとうまくいく

1. 第一声、「謝罪のスピード」が全てを決める
2. 謝罪のスピードは、スタッフとの信頼関係にかかっている
3. 自分の心遣いすべてを投入!「誰がどうみても反省している」とわかる形で
4. 「お客様の傷ついた心」だけに焦点を当てる

・感情なんて「雨が降った」とか「波がたった」くらいの自然現象にすぎない と軽く考えると、激しい言葉を受けてもカラッとしていられる。雨がやむのを気長に待てば良いだけ
・真心が伝わったら、人は必ずドアを開けてくれる
・その人がどんな不安を抱えているか。どう対応したらいいのかだけを考えて人と向き合うと、新たな出会いがある
・怒りのエネルギーは必ず下降していく
・「人は必ず分かり合える。自分が解決できないクレームはない」という信念がとても大事。その覚悟のあらわれとして、誰か他の人に解決を任せないと決めるのも一つ。





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