旧1巻
西郷隆盛の生涯。 というよりは、明治創世記の、”日本”だろうか。 2000年の日本の歴史の中で、あのような時代があったことは本当にすごい。今の日本は、後年どのような時代として語られるのであろうか。平和すぎて明治ほどぴんとするものが無いが、瞬間的に全世界の出来事を一個人が入手できる、超情報化社会の到来、ピラミッド型からクラウド型への変換がキーワードとしてあがる事は間違いないだろう。
旧2巻
西郷氏が鹿児島へ帰郷する。圧倒的な人気と実力を持ちながら、時代の要請と会わなくなってしまった西郷隆盛。時代の流れと自分の運命がフィットするのか、というのは常に気になる。周りに流されずにしっかりとした自分の地盤を作ることと、流れを読みながら先へ進んでいく自分。この背反しそうな要請を実現できるような人物が良い。
旧3巻
台湾問題に対し、大久保の見せた粘着力。誰が見ても不利な状況であった日本であるが、裏にある種々を判断し、有利な交渉の進展と結果を得る事ができた。粘り強く、信念を持って物事にあたる事が大事だと改めて感じさせられた。自分を顧みると、大久保と同じ力では行動できない。自分自身にあった、信念の貫き方を実行したい。
旧4巻
政府に対する不満が積もり、爆発寸前になる様子。 過去を丹念に振り返ると、事象が鎖のように繋がりあい、必然であったかのように物が起こっているようだ。正しい事でも、その時代においては否という事もある。
旧5巻
西郷隆盛の挙兵。 桐野以下心酔する部下達によって担ぎ上げられたといっても過言ではない。戊辰前後で性格の変わってしまった西郷。透徹した頭を持っていたが、別人になってしまった。最近は「鬱」という状態がサラリーマンの中で蔓延しているが、西郷も「無気力」とか、「思考の停止」という状況に陥っていたのだろうか。
旧6巻
桐野の桐野による桐野の為の西南戦争。数万人の戦死者は、何のために死んだのだろう。絶対にまねの出来ない”勇”を持っていても、結局大局観が無いと機を逃したり、志を遂げる事ができなかったりしてしまう。優秀であれば部下であれなんであれ任せてしまう、優秀でなければどんなに偉くても頑として任せない。 自分は大局的なものの見方ができるであろうか
旧7巻
作者の最後の言葉に、「主人公は要するに西郷という虚像である。」という言葉があった。明治維新を成し遂げた偉大なる革命家と、その後の時代の流れの中で、虚像と時代がずれていってしまった。本来の自分と、それとは違う、外とのかかわりを持つ自分。 大きな流れを改めて意識させられるものがたりであった。(完)
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