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王城の護衛者 - 司馬遼太郎

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幕末の会津藩を率いた松平容保のお話。家康の時代より主君をお守りする事を藩是としていた会津藩で、徳川家と天皇家を守護する為に死力を尽くした松平容保。その一点の曇りもない純粋な忠義に基づき幕末の乱世を生きた。そして容保と芹沢鴨の思いが交わり、新選組が生まれることとなる。
普段は西郷隆盛や坂本竜馬など、時代を変えたものの側から明治を見ることが多いが、徳川家の滅亡が確定的になる中で、幕府側に生きた者たちがどのように生きたか、を読むことができる面白い物語である。

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人間失格 - 太宰治

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<あらすじ>
少年期から27歳までの葉蔵を描く。葉蔵は創作の人物だが、太宰本人の写像である。

・少年期
周囲を笑わせ、皆から好かれる人間を演じていたが、内面に弱さや他人と交われないものを持っていて臆病だ。それを竹一に見抜かれて狼狽してしまう。

 ・青年期
画家になりたいが、親に反抗することもできず指示通り普通科へ。学生として東京に出、ヒラメという監督者の元で生活を始めるが、堀木と出会いによって破滅への道を突き進む。

壮年
ツネ子、シヅ子、放蕩する中で出会った女に貢がせ、浪費し、徹底的に堕落していく。自分で稼ぎたい、そして酒を買って飲みたい。そんな想いを吐露しながらも結局は更生できないのだ。疑うことを知らないヨシ子と結婚するが、そのヨシ子も破壊してしまう(これははじめの妻初代が他の男と過ちをおかした体験がモチーフになっている)
そして最後には、もう人間としての体をなさないところまで、行き着くところまで辿り着くのである。

<本を読んで>

ヴィヨンの妻 - 太宰治


<あらすじ>
太宰の短編集。特に代表作とされる「ヴィヨンの妻」がそのタイトルとなっている。太宰は虚構の名人で、本人も入水自殺した破天荒な生き方をした小説家だ。この作品たちでは戦後の現実への絶望感、倫理観、家庭、家族への夢など「自分」の内面を、しかも死を意識しながら主題として表現している。ヴィヨンの妻では彼と、おさない子を抱えた妻と、その夫婦の間の繊細な心の動きが描かれている。
ここでは「父」を見てみる。この作品の中で彼は、父としての自分を振り返っている。小説なんぞ書いてふんぞり返って、遊廓で放蕩して、子供のための貯金まで使い果たす始末。それを自分で「義」の行為だと 言って癖になってしまったように妻に負担をかけても家からお金を奪って遊びにいくのを止められない。「親が無くても子は育つ、という。私の場合、親が有る から子は育たぬのだ」と。

<本を読んで>
作品群の中で彼は自分の内面の葛藤を表現しているが、結局自分は最後は不倫して自殺して、それはもう勝手な事をやって逃げたのだ。もちろん彼の例は極端すぎるが、大なり小なり男はその身勝手な部分を持っていて、自分の目的を果たすために進んでしまうのだろう。普通、特に現代社会でそのようなことが許されるとは思わないし、私は自殺は最強最悪の「逃避」としか思わないが、しかし小説は、誰しもが持つ葛藤をVividに、刃物を突きつけるような感性で描いていると感じた。別のコラムスティーブ・ジョブズ種田陽平さんが異常なまでにDetailにこだわる事を紹介したが、太宰も様々な情景を小説の中に織り込む天才であったようだ。

武士道 - 新渡戸 稲造

日本人としての純潔な精神を表している、素晴らしい本。 自分もこうありたいと、やはり願う。どんなに時代が変遷しても、いいものは良い。欧米との違いは、きちっと認識して生活せねばならぬ。

葉隠入門 - 三島由紀夫

死をまっすぐに見ることはできていないのだけれど、自分をしっかりと見つめ、歩んでいきたい。まっすぐに、着実に。

草枕 - 夏目漱石

ひとつのまとまりが、ひとつの絵のような、美術館を、絵を鑑賞しながら歩いてみて回るような感じで読んだ本であった。 まだまだひとつひとつの絵画の深みがわからない私だが、面白い小説だった。 最後に近い段落で、「因果がもう切れ掛かっている」という文章が非常に印象的だった。

門 - 夏目漱石

宗助は自らの過去の行為に対し負い目を感じ、慎んだ生活を送っている。
しかし一度その過去と向き合う事となったとき、あわ立つように心がざわつき、現実と向き合わねばならない。 人は一度現実を背負ってしまったら、二度とそれを降ろす事はできない。未来はいずれ過去になるのであるから、常に謙虚に、正しく生きる事を心がけなければいけないのであろう。

三四郎 - 夏目漱石

”小説”というのは、こういうのを言うのだと思った。 青春の心を描き、本当に美しい情景を著わしている。緑、光、風、夕日。そして恋、失恋、学生。小説の中で、詩をうたっているような、そんな本であった。 明治とは、日本にとってかけがえの無い時代だと思う。自分も叶うのならそこに居てみたい。

伊豆の踊り子 - 川端康成

少年から青年へ。少女から女性へ。 人間が成長する過程において、大切な大切な時間である。若者の心の機微を日本の情景と交えながらお話が展開していく。綺麗な心から溢れる涙が、また美しい。

雪国 - 川端康成

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という、 あまりにも有名な1節が、この小説のすべての情景を著わして いるのだろう。雪国の、あのしんしんと降り積もる音の無い 静かな景色の中で、心の澄んだ男女の話が織り込まれていて、 本当に綺麗であった。 明治・大正の作家の方々の文章には日本固有の風景や情景を 表しているものが多いように感じる。“趣き”というやつである。 教育現場の荒廃やら、政治の腐敗などは、この“趣き”の欠落が 大きいのではないかなぁと思う。これだけでは具体性がなくて 説得力が無いが、これからの人生の中で少しでも良い方向に 変化をつけられるように行動したい。

薩摩スチューデント、 西へ - 林望

明治の頃の日本人にとっては、留学はまるで300年タイムスリップするような感覚。これはどういう感じなのだろう。さしずめ現代の自分にとっては、宇宙飛行をする感覚だろうか。彼らの心の動きを描き出した良い本だと思った。細々とした悩みに捉われたとき、彼らのことを思へばがんばれるだろう。周囲の「物・事」に惑わされる事なく、自らの信ずる道を進めれば良い。興味深い題材を扱っていて面白く読んだが、終わり方が中途半端でストレスが残ったままの読了となった。「続・西郷スチューデント」の刊行を待ちたい。

斜陽 - 太宰治

”斜陽”というタイトル。母と直治の心と現実のギャップ。自分の持つ本来の性質というのは、どれだけ変えようと試みても変わらないものなのだろう。自分を顧みると、どれだけ苦しい目にあっても、時間が過ぎてみると同じ性格のままの自分に戻っていることに気づかされる事が多い。